「医療法人とはどういうものか?」ということを知っておくことの重要性
当たり前のことですが、医師は医療法人と様々な接点を持つことになります。
独立された医師が開業して何年かたって経営が軌道に乗ってきて、「そろそろ医療法人にした方がよいのではないか?」とお考えになるということもあるでしょう。
あるいは代々医師の家系でらっしゃって、ご自身が理事長として先代のあとを継いだときにはすでに長い歴史のある医療法人であった、ということもあるでしょう。
これから医療法人化を考えている方の多くは、「税金対策のためにも医療法人になった方がよい」とか「信用がつく」というような話をお聴きになり、「それでは医療法人にしようか?」と考えたはじめたように見受けられます。
もちろん、そういった考え方自体は間違ったものではありません。しかし、医療法人になるということはいいままでは院長先生と一体だった病院・診療所を全く別の医療法人という団体に切り離して、いわば独立させるわけですから、法律的には個人病院・個人診療所であったときとは全く異なった性質になるわけです。
また、歴史のある医療法人であっても、実際には親族を中心とした家族経営であることも多く、あまり「医療法人」という組織・団体を独立したものとしてそれほど意識することなく今まで来てしまったという法人も多いように見受けられます。
それで何も問題が起こらないうちは良いのですが一旦医療法人内部で何らかの問題が起きると途端に医療法人の法律論の問題が出てくることになります。
医療法人になるということがどういうことなのか、あるいは医療法人であるということが法律上どの様な意味を持つのかという事について、医療法人化を考える院長先生ならびに現在理事長、理事・社員になられている方は是非とも把握されておいた方が良いと思います。
医療法人法入門
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医療法人法入門(5)-医療法人の監事について-(平成26年4月1日)
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医療法人法入門(7)-医療法人の理事について(中編)-(平成26年7月1日)
医療法人法入門(8)-医療法人の理事について(後編)-(平成27年5月1日)
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医療法人法入門(10)-医療法人の社員総会・理事会・理事長の関係-(平成28年1月19日)
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医療法人議事録の書き方入門
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