従業員の給料を差し押さえるという内容の通知が裁判所から送られてきました。
Q.従業員の給料を差し押さえるという内容の通知が裁判所から送られて来ました。これに対してはどう対処すればよいのでしょうか。また、従業員本人に対してはどういうアドバイスをすればよいのでしょうか。
給料差し押さえとその効果
これは債権者による給料の差し押さえです。従業員の方は何らかの理由で、債務を負っていて支払えなくなったことから勤めている病院に差し押さえが来たということになります。
ただし、差し押さえられる給料は全額ではありません。病院は、給料の支給額から税金や社会保険料を控除した金額が、44万円以下であればその4分の1を44万円を超えている場合には33万円を超えた金額について、差し押さえをかけてきた債権者に支払わなければなりません。
また、別の債権者から更に差し押さえをかけられた場合には、この金額について毎月法務局に供託をしなければならなくなります。
従業員に対するアドバイス
給料差し押さえがなされたということは、(1)裁判をして負けた、(2)裁判で約束をした分割払いを履行することができなくなった、(3)借金をする際に公正証書を作っていた、というような場合がほとんどです。いずれの場合も、給料の差し押さえまでされたということは経済的に相当追い込まれた状況ということができます。
従業員の方お一人で解決をすることは難しい状況だといえるでしょう。法的な債務整理を行うことで差し押さえを中止させることもできますので、速やかに従業員を連れて弁護士に相談に行くことをおすすめします。
当然のことですが、給料が差し押さえられたからといってその従業員を解雇することはできません。